日本ばね学会認定「ばね技術遺産」

日本ばね学会 『ばね技術文献遺産』 認定第9号

名称
(著者/編集)
鉄道車両用ばね
(日本国有鉄道工作局・ 鉄道技術研究所)
出版/発行桜井広済堂(1960年)
所有者日本ばね学会〔寄贈者;大方一三 (元株式会社パイオラックス)〕
認定日2014年11月25日

認定理由

 戦時中の鉄道車両酷使に起因するばね故障は戦後の車両運行の大きな障害となった。この対策の為3年にわたる論議を経て確立したばね補修の新たな作業基準を国鉄(現JR)の各工場に知らしめるのが本書の目的である。またこの論議の過程でばねに関する小史を振返る必要があるとの意見の一致により、さらに1年の調査期間を設けてまとめた結果も記載されている。明治5年の蒸気機関車輸入に始まり鉄道車両用ばね材料規格の変遷を中心に戦前から戦後にかけての民間ばね製造会社の発展史などを含む興味深い記事の数々は、今後の研究者にとって大変貴重である。
 よって今後末永く保存されることを願い、ばね技術文献遺産として認定する。
鉄道車両用ばね